リンゴ農家として、大切なことだから伝えておきたい大切なお話です。
蜜とは本来、糖度を示すものではありません。
事実、サンふじに勝る品種【トキ】の糖度は15%とも16%とも言われております。
でもそのトキには、「蜜」といわれるものはなかなか無いのが事実。
それではなぜ、リンゴの蜜は甘いとされてきたのかをお話いたします。
毎日農園でリンゴを食べ感じることは、やはり蜜の部分を食べると甘く感じてしまいます。
今、働きに来ている方や、大学生や一般の方にもリンゴの蜜部分そのものを食べていただき、
直接感想を聞いた結果、やはり声を揃えていう言葉
「甘い」
私もやはりそう思います。
キャッチの洗脳なのか、はたまた味覚音痴なのか。それとも【糖度=甘さ】ではないのか。
悩み考え、たくさんの方々のお話を聞きました。
その結果、一つの答えに行き着きました。
それは
本来「リンゴの蜜」とは熟し度合いを見る目安でしかないのに、なぜ甘く感じてしまうのか
それは、サンふじの持つ「濃い味の酸味」
この酸味の間に熟した柔らかい実があるからこそ、甘く爽やか且つ濃い味に感じその表現が結果的に
「蜜の入ったリンゴは美味しい」
となったのではないかという答えに行き着きました。
なので、決して蜜は甘く無いわけでもなく、糖度が高いわけでもありません。
大学の教授や、研究者はどうしても数字に走りがちになり、
リンゴの蜜は甘さでは無いと断言的に言う方も中にはおりますし、かつて私も同じようなことを言っておりました。
ですが
リンゴの味の知識が圧倒的に足りてなかった。舌が覚えているリンゴの情報が圧倒的に足りてなかったと思います。
そして今、リンゴ農家として私自身ができることは、
リンゴの中の世界にどれだけ熟した旨味と新鮮な酸味を共存させられるかを考えながら
1年ずっとリンゴの実の成長を見守って来ました。
だから、毎日リンゴを開け、蜜のきめ細やかさを見て、まだ収穫できない。まだ収穫できないと、
自分が本当に食べたいりんごになるのをじっと待っています。
その結果、収穫していないのは私一人になってしまいましたが、それでも食べたいリンゴがあるからまだ待ちます。
小さい時からりんごが大好きで、ほんとよかったなとつくづく感じる毎日です。
MIKAMI FARMのりんごをいつも買っていただいているお客様に
私が最も食べたいりんごをお届けします。
食べたい人だけに必要な分だけ食べてもらいたい。
MIKAMI FARMの理念
「大切に育てたものを、大切に思える分だけ、大切に食べる」
をこれからも伝えていきたいと思います。